Excel(エクセル)には「プルダウン」という、入力業務のミス防止や効率アップに繋がる機能があります。
プルダウンを使えば、一つのシートに複数人で入力するような社内の定型文書(例:商品リスト、売上票、勤務シフト表、アンケート等)の作成に役に立ちます。
この記事では、Excel(エクセル)でプルダウンを作成・編集する方法やそのメリットという基本から、自動入力・書式設定や2段階入力などの応用編、そして困ったときの対処法を紹介します。

目次

Excel(エクセル)でプルダウンを作成する方法

Excel(エクセル)でプルダウンを作成する方法は2つあります。
プルダウンで扱いたいリストの量によって、最適な作成方法が変わります。

入力値に入力してプルダウンを作成する方法

プルダウンを表示させたいセルに直接、項目リストを入力して作成する方法です。
プルダウンで扱いたい項目リストの量が少ない場合に適した方法です。

    1. プルダウンを設定したいセルを選択します。

プルダウンを設定するセルを選択

    1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

データタブからデータの入力規則をクリック

    1. 「データの入力規則」のウインドウの「設定」タブにある「入力値の種類」の右側の引き出しマーク(v)をクリックし、「リスト」を選択します。

入力値の種類の右側の引き出しマークからリストを選択

    1. 「入力値の種類」の右側にある「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていることを確認します。

ドロップダウンリストから選択するにチェックを入れる

    1. 「元の値」の入力欄に、プルダウンにしたい項目を半角のカンマで区切って入力していきます。
      元の値に文字を半角カンマで区切って入力
      ※項目ごとの区切りは半角のカンマ「,」になります。
      全角のカンマ「、」と間違えやすいので注意してください。
      例:東京都,神奈川県,群馬県,埼玉県,千葉県,栃木県
    2. 「OK」ボタンをクリックして作成完了です。

OKボタンをクリックして完了

    1. プルダウンを設定したセルをクリックし、右側にある「▼」マークをクリックして入力したプルダウンを表示させ、項目リストをクリックして、セルに自動入力されるかどうかを確認してください。

設定したプルダウンの項目リストがセルに入力されるか確認

シート内にある項目リストを使ってプルダウンを作成する方法

プルダウンを表示させたいセルに項目リストを入力して作成する方法は、直感的でわかりやすいのですが、リストの量が多い時、あるいは後からリストに追加や削除等の変更を加えたい時には適していません。
その場合、同じExcel(エクセル)のシートの中にプルダウンに設定したい項目リストを作成する方法がおすすめです。

        1. Excel(エクセル)のシートに、プルダウンを設定したい「項目リスト」のデータを、縦に入力していきます。

      「項目リスト」をセルに縦入力

        1. プルダウンを表示させたいセルを選択します。

      プルダウンを表示させたいセルを選択

        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      データタブからデータの入力規則を選択

        1. 「データの入力規則」のウインドウの「設定」タブにある「入力値の種類」の右側の引き出しマーク(v)をクリックし、「リスト」を選択します。

      入力値の種類からリストを選択

        1. 「入力値の種類」の右側にある「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていることを確認します。

      ドロップダウンリストから選択するにチェックを入れる

        1. 「元の値」の入力欄をクリックします。

      「元の値」の入力欄にチェック

        1. 先ほど入力した、プルダウンで表示させたい「項目リスト」のセルを範囲選択します。

      プルダウンで表示させたい項目リストのセルを範囲選択

        1. 「元の値」の入力欄に選択したセルの範囲が表示されたことを確認し、「OK」をクリックして作成完了です。

      入力欄に反映されたことを確認してOKをクリック

  1. プルダウンを設定したセルをクリックし、右側にある「▼」マークをクリックして入力したプルダウンを表示させ、項目リストをクリックして、セルに自動入力されるかどうかを確認してください。
  2. 完成したプルダウンで正しく値が表示されるか確認

そもそもExcel(エクセル)のプルダウンとは?

Excel(エクセル)のプルダウンとは、入力したいセルに直接テキストや数値を入力するのではなく、あらかじめ作成しておいた項目リストの中から選択して入力できる機能です。

プルダウン4つのメリット

プルダウン機能には、以下のようなメリットがあります。

      • あらかじめ作成されたリストから選択するので、タイプミスや誤変換などの入力ミスが防止できます。
      • 文字数の多い文章を入力する場合や、大量のリストから選択する場合などに、入力する人の手間や負担を軽減できるため、効率的に作業ができます。
      • 表記の揺れ(例:「引っ越し」と「引越し」など)を防止し、同じEXCEL(エクセル)のシートの中で、言葉の使い方を統一することができます。
      • 表記揺れがなくなることで、集計しやすくなります。

以上のメリットによって、作業する人にお願いしたい内容をマニュアル化しやすくなります。

ドロップダウンメニュー、ドロップダウンリストとの違いは?

言い方が異なるだけで、「プルダウン」、「プルダウンメニュー」、「プルダウンリスト」は、全て同じ意味です。
また、「ドロップダウン」、「ドロップダウンメニュー」、「ドロップダウンリスト」も同じ意味になります。

Excel(エクセル)のプルダウンの基本の使い方

プルダウンの項目リストの追加・削除・並べ替え・解除などの編集方法、入力する人へのメッセージの表示方法、その他の便利な使い方を紹介します。

プルダウンの項目リストを編集する方法

プルダウンの項目リストを手入力で編集する方法

セルに直接入力してプルダウンを作成した場合
        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      データタブからデータの入力規則を選択

        1. 「データの入力規則」のウインドウの「設定」タブにある「入力値の種類」の右側の引き出しマーク(v)をクリックし、「リスト」を選択します。

      設定タブの入力値の種類からリストを選択

        1. 「元の値」の入力欄を編集します。

      元の値を編集

        1. 「OK」をクリックして編集完了です。

      OKを押して編集完了

シート内にある項目リストを使ってプルダウンを作成した場合
        1. シート内の項目リストを編集します。
          リスト数が増減していない場合は、これで編集が完了です。

      項目リスト数が変わらなければそのまま編集

        1. リスト数が増減して選択範囲が変更になった場合は、「元の値」に入力されている選択範囲を変更します。

      リスト数が増減した場合には選択範囲を編集

        1. 「OK」をクリックして編集完了です。

      OKで編集完了

プルダウン項目を自動で追加する方法

シート内に項目リストを作成してプルダウンを作成した場合、項目リストを追加した時に自動的にプルダウンに反映させるよう設定することができます。
項目リストを編集するたびに、毎回範囲を選びなおす作業をする必要がなくなりますので効率的です。
なお、項目リストを後から編集する必要があるとわかっている場合には、あらかじめ自動で追加する設定をしておくことがおすすめです。
項目リストの編集を自動で反映させるには、2つの関数を使います。

      • OFFSET関数(検索・行列の関数)
      • COUNTA関数(指定範囲内に、空白でないセルが何個あるかカウントする関数)
        1. シート内に項目リストを作成してプルダウンを作成したセルを選択します。

      項目リストで作成したセル選択

        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      データの入力規則クリック

        1. 「データの入力規則」のウインドウの「設定」タブにある「入力値の種類」の右側の引き出しマーク(v)をクリックし、「リスト」を選択します。

      リスト選択

        1. 「元の値」に、以下の関数式を入力します。
          「=OFFSET(項目リスト最上部のセルの絶対参照,0,0,COUNTA(項目リストのある列の絶対参照),1)」
          例:=OFFSET($H$1,0,0,COUNTA($H:$H),1)
          関数式を入力
          項目リスト最上部のセルを指定する部分では、「絶対参照」を使用します。
          項目リスト最上部のセルをクリックすると、自動で「$」マークがつき、「絶対参照」が挿入されます。絶対参照を外したい場合は、F4キーを何度か押すと外すことができます。
          ※0、1の部分は変更しないでください。
        2. 「OK」をクリックして設定完了です。

      OKで編集完了

        1. 項目リストにデータを追加し、追加したデータがプルダウンに自動的に反映されることを確認してください。

      表示されることを確認

プルダウンを解除する方法

一旦入力したプルダウンは、そのセルを選択して削除キーを押しても解除されません。
以下の方法で解除できます。

        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      データの入力規則をクリック

        1. 「データ入力規則」ウインドウの左下にある「すべてクリア」をクリックします。

      「すべてクリア」をクリック

        1. 「データ入力規則」ウインドウの右下にある「OK」をクリックして解除完了です。
          まれに解除したにもかかわらず、セルの右側の「▼」マークが消えない場合があります。「▼」マークが消えない場合は一旦シートを保存し、EXCEL(エクセル)を再起動した後に、シートを読み込みしなおしてください。

      解除完了

入力する人にわかりやすく説明するための「入力時メッセージ」の表示方法

入力する人が間違いなく入力できるようにするために、「入力時メッセージ」を表示することができます。
正確に入力しないと後で集計する時などに困るので、設定しておくことをおすすめします。

        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      データの入力規則をクリック

        1. 「データの入力規則」のウインドウの「入力時メッセージ」タブをクリックします。

      入力時メッセージタブをクリック

        1. 「セルを選択した時に入力時メッセージを表示する」にチェックが入っているか確認します。

      チェックが入っているか確認

        1. 「タイトル」と「入力時メッセージ」に説明文を入力します。

      メッセージを入力

        1. 「入力時メッセージ」タブの下の「OK」をクリックして設定完了です。

      「OK」を押して完了

選択肢以外を入力させないための「エラーメッセージ」の表示方法

入力する人がプルダウンに設定した選択肢以外を入力した際に、「エラーメッセージ」を表示することができます。

        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      データの入力規則をクリック

        1. 「データ入力規則」ウインドウの「エラーメッセージ」タブをクリックします。

      エラーメッセージタブをクリック

        1. 「無効なデータが入力されたらエラーメッセージを表示する」にチェックが入っているか確認します。

      エラーメッセージを表示するのチェックの確認

        1. 「スタイル」にて「停止」「注意」「情報」のいずれかを選択します。

      スタイルから「停止」「注意」「情報」を選択

        1. 「タイトル」と「エラーメッセージ」に説明文を入力します。

      説明文を入力

        1. 「エラーメッセージ」タブの下の「OK」をクリックして設定完了です。

      「OK」をクリックして設定完了

マウスではなくキーボードを使ってプルダウンを選択する方法

マウスではなく、キーボード操作でもプルダウンの選択が可能です。キーボードでプルダウンを選択したい場合には、以下のように操作します。

        1. プルダウンが作成されているセルを選択します。

      プルダウンのセルを選択

        1. キーボードの「Alt」キーを押しながら「↓」キーを押すと、プルダウンが表示されます。

      Altキー+↓キーでプルダウン表示

        1. 「↑」キーと「↓」キーで、選択した項目が移動できます。
          プルダウンした項目リストが多い場合には、「Home」キーで先頭列にジャンプ、「End」キーで最終列にジャンプできます。

      ↑↓キーで上下移動/「Home」「End」キーで先頭列/最後列へジャンプ

        1. 「Enter」キーを押して、選択完了です。

      Enterキーで選択完了

Excel(エクセル)のプルダウンの応用と便利な使い方

条件付き書式を使ってプルダウンの色を変更する方法

選択したプルダウンの内容に合わせて、自動的にセルの色や文字の色を変えられる「条件付き書式」が設定できます。
プルダウンに「条件付き書式」を設定すると、表の見栄えが良くなる、何を選択したのかわかりやすくなる、などの効果があります。

        1. 「条件付き書式」を設定したいセルを選択します。

      条件付き書式を設定するセルを選択

        1. 画面上部メニューの「ホーム」→スタイルの中の「条件付き書式」→「新しいルール…」の順番でクリックして「新しい書式ルール」ウインドウを開きます。

      ホームタブから新しい書式ルールウインドウを開く

        1. 「新しい書式ルール」ウインドウ上部の「ルールの種類を選択してください」という項目から「指定の値を含むセルだけを書式設定」を選択します。

      「ルールの種類」で「既定の値を含むセルだけを書式設定」を選択

        1. 下の入力欄で左から「特定の文字列」「次の値を含む」を選択し、一番右の入力欄で「条件付き書式」を設定したいプルダウンの中の選択肢の1つを入力します。

      「特定の文字列」「次の値を含む」を選択し、プルダウンの中の条件付き書式を設定したい選択肢を右側に入力

        1. 「書式」で色や書体を変更します。

      「書式」で色・書体を変更

        1. 「OK」をクリックして設定完了です。

      「OK」を押して設定完了

選択したプルダウンから項目を自動反映する方法

選択したプルダウンに関連した項目が、他のセルに自動的に入力される方法があります。
例えば、人物名を入力したらその生年月日が自動入力される、または商品名を入力したらその値段が自動入力される、というような設定が可能です。

        1. プルダウンの元になる表を作成します。
          例として「人物名」と「生年月日」の表を作成します。

      プルダウン元の表を作成

        1. 「シート内にある項目リストを使ってプルダウンを作成する方法」を使用して、「人物名」のプルダウンを作成します。

      項目リストから人物名のプルダウンを作成

        1. 「人物名」から「生年月日」を自動入力したいセルに、以下のようにVLOOKUP関数(選択範囲の先頭列を縦に検索して、条件に合致した項目を出力する関数)を入力して設定します。
          「=VLOOKUP(プルダウンを設定したセル,表の範囲を絶対参照,1から始まる列番号,FALSE)」
          例:=VLOOKUP(A1,$C$3:$E$6,2,FALSE)
          VLOOKUP関数の挿入
          「表の範囲の絶対参照」は、シート内にある項目リストを範囲指定した後に、キーボードのF4キーを押すと「絶対参照」が挿入されます。
          「1から始まる列番号」は、項目リストの1番左を1として数えます。選択したセルに出したい項目がある場所を指定します。
          FALSEはそのまま入力してください。省略したり「TRUE」を入力すると、意図しない検索結果が行われてしまうので注意してください。
        2. プルダウンから「人物名」を選択した時に、対応した「生年月日」が表示されることを確認して設定完了です。

      プルダウンで表示した人物名に対応した生年月日の表示を確認

プルダウンで選択された項目を集計する方法

プルダウンで選択された項目の数を、自動的に集計する方法を紹介します。

        1. 集計用の表を作成します。

      集計用の表を作成

        1. 集計結果を表示させるセルを選択し、以下のようにCOUNTIF関数(設定した値を満たすセルの数をカウントする関数)を入力します。「=COUNTIF(集計したいセルの範囲,”集計したい項目名”)」
          「集計したいセルの範囲」とは「どこを探すか」、「集計したい項目名」とは「何を探すのか」を指定するものになります。

      集計結果を表示させたいセルにCOUNTIF関数を入力

        1. プルダウンで選択された項目の数が正しく表示されていることを確認して、設定完了です。

      プルダウンで選択された項目の数が正しく表示されているか確認

リストにない値を自由に入力できるようにする方法

基本的にプルダウンは設定されたものから選択するのではなく、直接入力をするとエラーになりますが、直接入力を許可する方法もあります。

        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      データの入力規則をクリック

        1. 「データの入力規則」ウインドウの「エラーメッセージ」タブをクリックします。

      エラーメッセージのタブをクリック

        1. 「無効なデータが入力されたらエラーメッセージを表示する」のチェックを外します。

      無効なデータが入力されたらエラーメッセージを表示するのチェックを外す

        1. または、「エラーメッセージ」タブの「スタイル」入力欄で、「注意」または「情報」を選択することでも、直接入力を許可できます。
          この場合には「タイトル」と「エラーメッセージ」入力欄に、注意喚起や確認のメッセージを入力して、表示させることもできます。

      「スタイル」で「注意」「情報」を選択しても許可できる。メッセージの入力も可

        1. 「OK」をクリックして設定完了です。

      OKクリックで設定完了

Excel(エクセル)のプルダウンで困った時の対処法

プルダウンを検索する方法

プルダウンの項目は、セルを選択して「▼」を表示させてクリックしないと表示されません。
そのために、プルダウンを設定したセルが多い場合や、間違ったセルに作成した場合などに、探せなくなる場合があります。
そのような場合には、以下の方法でプルダウンが設定されたセルを検索することができます。

        1. キーボードの「CTRL」キーと「G」キーを押します。

      CtrlとGキーを押す

        1. 「ジャンプ」ウインドウが開きますので、一番下の「セル選択…」ボタンをクリックします。

      「ジャンプ」ウインドウから「セル選択」をクリック

        1. 表示された「選択オプション」の中から「データの入力規則」とその下の「全て」をクリックして選択します。

      「選択オプション」から「データの入力規則」と「すべて」を選択

        1. 「OK」をクリックします。

      OKをクリック

        1. 表に戻ると、プルダウンが作成されているセルが薄いグレーで表示されているので、どのセルにプルダウンが作成されているかが分かります。

      プルダウンのあるセルがグレーで表示される

プルダウンが表示されない時の対処方法

プルダウンを設定したセルを選択しても「▼」が表示されない時には、以下の手順を試してください。

        1. プルダウンが作成されているセルを選択します。

      セルを選択

        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      データの入力規則

        1. 「データの入力規則」のウインドウの「設定」タブにある「入力値の種類」の右側引き出しマーク(v)をクリックし、「リスト」を選択します。

      リストを選択

        1. 「入力値の種類」の右側にある「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていることを確認します。このチェックが外れていると「▼」が表示されません。

      「ドロップダウンリストから選択する」のチェックを確認

        1. 「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っているにもかかわらず「▼」が表示されない場合、画面上のメニューから「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」をクリックします。

      チェックが入っていても表示されない場合は「ファイル」「オプション」「詳細設定」と進む

        1. 「次のブックで作業するときの表示設定」から「オブジェクトの表示」の「すべて」にチェックを入れます。

      「次のブックで作業するときの表示設定」から「オブジェクトの表示」の「すべて」にチェックをいれる

カンマの入った値を利用できるようにする方法

表や文章内で数字を扱う場合、カンマを使って見やすくするのが一般的です。
ですが、Excel(エクセル)のプルダウンを「入力値に入力してプルダウンを作成する方法」で作成すると、カンマが区切り文字と判定されてしまうために、カンマの入った値が使えません。
カンマの入った値を利用したい場合には、「シート内にある項目リストを使ってプルダウンを作成する方法」で作成してください。

大量のリストがあって選択しづらい時に、2段階で入力して絞り込めるようにする方法

プルダウンで表示させるリストの量が多すぎて、選択するのに時間がかかるときがあります。
例えば、大量かつ多品種の在庫を網羅した項目リストや、大きな会社の大勢の社員の項目リストから選択するためのプルダウンを作成した場合などです。
そのような場合に、商品ジャンル名から機種名、あるいは部署名から所属社員名というように、大分類から小分類という2段階で絞り込み検索ができるようにしておくと、入力する人の負担が減らせます。
このような2段階のプルダウンを作成するには、「名前の定義」機能(特定のセル範囲に名前をつけて、関数で利用することができるようにする機能)と、INDIRECT関数(文字列で指定したセルの値を表示させる関数)を組み合わせて使います。
今回の場合では、「人事部・総務部・営業部」という項目があるとして、部署を選択するとその部署から氏名を選択できるよう、プルダウンリストを設定していくパターンの方法をご説明します。

ステップ1:「名前ボックスの入力」

        1. 最初にデータとなるリストをセルに入力します。その際、先頭のセルは第1段階目の項目名(例:人事部、総務部、営業部)を入力し、その下に第2段階の項目名(例:部員名)を入力します。

      第1段階(例:部署名)と第2段階(例:部員名)のデータをセルに入力

        1. 第1段階目の項目名のセルを全て選択し、「名前ボックス」(セル番号が表示されている、表の左上のボックス」に直接文字を入力し、「名前の定義」を実行します。今回は「部署」と入力をします。

      第1段階のセルを全選択し、「名前ボックス」に入力して「名前の定義」を実行

ステップ2:第1段階目のプルダウンの設定

        1. 第1段階目のプルダウン(例:所属部名)を設定したいセルの範囲を選択します。

      第1段階目のプルダウンを設定したいセル範囲を選択

        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      「データの入力規則」をクリック

        1. 「データの入力規則」のウインドウの「設定」タブにある「入力値の種類」の右側の引き出しマーク(v)をクリックし、「リスト」を選択します。

      「リスト」を選択

        1. 「入力値の種類」の右側にある「ドロップダウンリストから選択する」にチェックがあることを確認します。

      「ドロップダウンリストから選択する」のチェックを確認

        1. 「元の値」の入力欄をクリックします。

      「元の値」をクリック

        1. 第1段階目の項目名の部分を入力します。今回の場合は、「=部署」と入力します。

      第1段階目の項目名を入力

        1. 「OK」をクリックします。すると、下から引き出される形でプルダウンリストが作成されます。

      「OK」をクリック下から引き出される形でプルダウンが作成

ステップ3:名前ボックスの作成

        1. データとなるセルの範囲をすべて選択します。

      データのセル範囲をすべて選択

        1. 数式→定義された名前→「選択範囲から作成」をクリックします。

      「数式」タブの「選択範囲から作成」をクリック

        1. 新しく「選択範囲から名前を作成」ウィンドウが現れるので、一番上の「上端行」だけにチェックを付けます。

      一番上の「上端行」のみにチェックを入れる

        1. 「OK」をクリックします。

      「OK」をクリックする

ステップ4:第2段階目のプルダウンにINDIRECT関数を適用

        1. 第2段階目のプルダウン(例:部員名)を設定したいセルを選択します。

      プルダウン設定用のセルを選択

        1. 画面上のメニューから「データ」を選択し、「データの入力規則」をクリックします。

      「データ」タブから「データの入力規則」を選択

        1. 「データの入力規則」のウインドウの「設定」タブにある「すべての値」の右側の引き出しマーク(v)をクリックし、「リスト」を選択します。

      「リスト」を選択

        1. 「入力値の種類」の右側にある「ドロップダウンリストから選択する」にチェックがあることを確認します。

      ドロップダウンのチェックを確認

        1. 「元の値」の入力欄に「=INDIRECT(第1段階目のプルダウンを設定したセル番地の列の絶対参照)」と入力します。

      「元の値」にINDIRECT関数(第1段階目のプルダウンがある列の絶対参照)を入力

        1. 「OK」をクリックします。

      「OK」をクリックする残りのセルにも同様の操作を行いプルダウンを設定して設定完了

「元の値はエラーと判断されます。続けますか?」と言うエラーメッセージが表示されることがありますが、「はい」をクリックしてください。これで2段階入力の設定は完了です。

まとめ

Excel(エクセル)のプルダウンは、作成した項目リストから選ぶことでセルに入力ができる機能です。
シートの作成者が利用者であるときに便利ですが、特に作成者と利用者が違う時に便利な機能です。

プルダウンを使うことで、Excel(エクセル)を使った入力業務のミスを防止し、業務の効率アップに繋がります。
ぜひ効果的に、Excel(エクセル)のプルダウン機能を活用してください。