冥婚の風習 東根市 黒鳥観音のむかさり絵馬

こんにちは♪

東根市民話の会さんのお手伝いをさせてもらい東根市に伝わる民話をまとめる機会があったのですが、その土地に伝わる昔話って結構いろんなスタイルのものがあるんですね!

歴史には本当~に疎い私ですが、この頃少しずつこの土地に伝わる民話や伝承などに興味を持っていたところです。

これから東根市に伝わる民話なども時々紹介していけたら面白いかなと思っています!

今回は私たちの土地に伝わるちょっと変わった、珍しい風習についてご紹介します。

むかさり絵馬の風習を知っていますか?

「むかさり」という言葉は、この辺で言うところの結婚の意味です。

「嫁に迎えて去る」ことからこのように呼ばれるようになりました。

むかさり絵馬を本当に簡単な言葉で説明すると「幼くして亡くなってしまったり、結婚をすることなくこの世を去ってしまった子どもを、あの世で結婚させる」というもの(冥婚と呼ばれます)。

亡くなった子どもと結婚相手を絵馬に描いてもらい それを奉納することです。

それを担ってくれる場所の一つが最上三十三観音の第19番 黒鳥観音です。

東根市にあります。

この風習はここだけではなく、山形県や青森県などの一部の地域でも見られるそうですよ。

黒鳥観音は最上三十三観音の第19番礼所

最上三十三観音は、山形県の村山地方と最上地方の「最上三十三観音霊場」に祀られている観音様のことです。

こちらの黒鳥観音はその最上三十三観音の第19番礼所になっていて、巡礼・参拝することができます。

私が初めて黒鳥観音に足を運んだのは昨年の10月くらいでした。

その時は「秋に使える素材の写真を撮らなくては!」くらいに考えていたので、特に参拝してこようとも思わず軽い気持ちで出かけました。

というか連絡もなしに突然訪問してもお堂は解放されていないだろうと思っていたんですね(;’∀’)

雲っていたけど比較的過ごしやすい日でした。

どこまで続いてるんだろう?と思いながら しばらくザクザク参道を歩いていきました。

お堂の前まで来ると、扉が開いている…?

中を覗いてみようと思いましたが、近くで男性2人がお話していたので少し待機。

しばらくするとお二人は駐車場の方へと行ってしまいました。どうしよう…。

ちらっとお堂の中が見えて少し驚きました。

たくさんのお札と「奉納」と描かれた絵。

破れてしまっているものもありますね。

遠目でも最近のものではないことがわかります。

普段生活していたら、あまり見ることのない景色ですよね。ていうか…見ませんね!

思わず撮影しようと思ったけど許可を得たかったので「誰か関係者の方が来るかも…」と思い、またもしばらく待機します。

それにしてもすごい数。ところ狭しと絵やお札がかけられています。

圧倒されてしばらくお堂の階段の下から眺めていました。

しばらくすると先ほどの男性が一人で戻ってこられ「中に入ってお参りしていったら?」と声をかけてくださり、お堂の中に入れてもらうことができました。

アヤシイ者ではないということをお伝えし(汗)写真を撮る許可ももらいました!

今日はたまたま絵馬が奉納される日だったそうで、私はどうやらタイミングよくその場に居合わせてしまったようです。

先ほど帰られたもう一人の男性は、絵馬を納めるのを見守りに来た方だったんですね。

そして お堂に招き入れてくれた方はなんと、むかさり絵馬の絵師の方でした。

「これ、さっき納めた絵馬なんだよ。」と、実際に絵も見せてもらいました。

写真中央の、観音様の前に立てかけられている絵がそうです。

シンプルな色遣いで流れるように描かれた絵。観音様と一緒の画角に納まると、更にすごい雰囲気です。

お話が上手な絵師さんで、むかさり絵馬のことも含めて とても興味深く楽しい時間を過ごさせてもらいましたよ!

最近はSNSの普及もあってか、黒鳥観音のむかさり絵馬に興味を持った県外や外国の若い方も多く訪れるようになったそうです。

うん、写真だけでもなかなかインパクトがありますもんね。

わかる気がします。

絵を制作している期間、絵のモデルとなった人物が夢枕に立ったこともあるよ、とかなりラフな感じでお話してくださることも…

でも、不思議と「怖い」という気持ちや恐れは湧きませんでした。

というか令和のこの時代にもそういった風習がまだ残っていて、それを受け継ぐ絵師さんがいらっしゃるということに、とても心を動かされました。

そう思ったことを素直にお伝えしたところ

「それにしてもタイミング良かったね~(笑)ご縁がないと居合わせることもなかっただろうからね。ご縁だね。」

「また、いつでもいらっしゃい。」と言ってくださいました。

今回は連絡もせず、取材目的でもなく向かった先で思いがけず貴重な体験をすることができました。

事務所に戻ると「どこに行ってたの!?」と心配され、写真を見せながら体験してきたことを伝えると、またビックリされました(笑)

なんの前知識もなく突然そんなことを話したら、やっぱり少し驚かれるかもしれませんね。

でも「我が子には亡くなっても幸せになってもらいたい」という親の思いはいつの時代も変わらないんだということ、こういった風習となって現代の片隅にまだしっかり息づいているんだということを知ってもらいたいと思いました。

何か感想を持っていただけたら幸いです(^^)

東根市の眺めの良いスポット♪

黒鳥観音の鳥居がある場所から坂道を上っていくと、黒鳥弁財天のお堂があります。

学問や芸術・金運なども司る神様です。

さらに上を目指して上っていくと、広い駐車場に出ます。

この場所から眺める景色はすごく良いです♪

村山の平野を見渡すことが出来ますよ。

カメラや望遠レンズをお持ちの方は持参してくると良いかも!

階段を上ると鶏の家族に会えるかもしれません。

興味があるのかこちらに近づいてくることがありますが、つついてきたりはしないので大丈夫です。

白くてふわふふわした、鶏の子どもたち!

むかさり絵馬がとても有名な黒鳥観音ですが、このように気軽に、息抜きついでに遊びに来ることもできます。

良縁祈願や縁結び・病気平癒などのご利益があるそうですよ!

お堂の前にはこんな狸くんがいてお出迎えしてくれます(^^)

興味のある方は是非遊びに行ってみてくださいね。

ひがっちゃの中の人でした♪

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